京セラなど3社、日置市でマイクログリッドのエネルギーマネジメント共同研究
ひおき地域エネルギー(鹿児島県日置市)、 京セラ(京都市伏見区)、日立パワーソリューションズ(茨城県日立市)の3社は7月27日、鹿児島県日置市でのマイクログリッドにおけるエネルギーマネジメントに関する共同研究契約を締結した。3社は共同研究を通じ、日置市の協力のもと、再生可能エネルギーの地産地消による地域の脱炭素化や、地域電力事業者を通じた地域経済循環の拡大、災害時の電力供給に貢献するための電力需給技術の構築を目指す。
日置市では、同市に深く関連する企業、団体、個人17団体・個人の出資によって2015年に設立されたひおき地域エネルギーが、家庭や企業への電力供給を行っており、2019年3月には2つのエリアで太陽光発電システムやコージェネレーションシステムを組み合わせたマイクログリッドの運用を開始。自営線で結ばれた需要家に対してグリッド内に設置した太陽光発電システムで発電した電力を供給する一方、残りの不足電力は日本卸電力取引所(JEPX)などから調達している。
今回の共同研究の対象となるエリアでは、産業用蓄電池と地域電力向けのエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入することで余剰電力の有効活用やピークカット制御、インバランス調整による電力コストの最適化を行い、再生可能エネルギー比率の向上と地域経済循環の拡大を目指す。また、太陽光発電の電力を産業用蓄電池に貯蔵することで、災害時に日置市施設への電力供給を可能にするレジリエンス機能としての有効性を検証する。
今回の共同研究では、京セラが産業用蓄電池の設置と地域電力向けのEMS開発、日立パワーソリューションズが蓄電池システムの設計をそれぞれ担当し、ひおき地域エネルギーがシステムの運用を行う。共同研究による実証実験は2021年2月から1年間実施する予定。